ドイツでO104が猛威を振るっており、既に26名の方がお亡くなりになっています。
ドイツ政府は、当初、スペイン産のキュウリが原因と公式見解を出し、スペインからのキュウリ輸入を停止しました。ところが5月31日になって、スペイン産のキュウリからはO104は検出されなかったので、この見解をくつがえしました。
しかし、だからといってドイツの消費者がすぐにキュウリを購入するわけではありません。それどころか、いまだにキュウリは食べられないという人々が増加し、風評被害によりスペインの農家は苦しい立場に追い込まれています。この件により推定2億ユーロもの損害をこうむったスペインは、ドイツ政府(ドイツ保健当局)に損害賠償を求めることも辞さないようです。
また、ドイツによる過大な風評被害ですか・・・
いまだにドイツに渦巻いている、福島原発により日本で放射能が流れまくっている、という話しに通じるものがあります。自分たちの見ていない物でも、マスコミが流している誇張ニュースにより、「日本はこんなに危ない」と信じ、さも自分が見てきたかのように言う人々。
このO104が発生して、何人かお亡くなりになっても、うちの家族はいっさい、「危ないからドイツに行ってはいけない」、と言いません。ただ、「本当に気をつけて」、とは言います。でも、これが反対の立場(日本で発生したとしたら)だったら、どうだったでしょう?きっと、あちらの方々は「日本に行ってはいけない」とおっしゃるのでしょう。
でも、自分たちの国で起きたときはなぜか大丈夫。「何、バカなこと言っているのよ。生野菜を食べなければいいだけでしょ」と言い、他の国の人が心配しすぎだとも言う。アジアでSARSが起きたときのことを思い出しました。あの時も、色々ありましたよね。
でも、ドイツにはそんな人ばかりではありません!たくさん、日本を信じている人もいるのです!
メルマガの方に書きましたが、私の友人のセラピストがこの騒ぎの中、5月に日本にやってきました!彼女とは2年前にとあることがきっかけで知り合いまして、お互いドイツと日本に住んでいながらも、1年に5回くらい会っています。今回なんて、一緒に釜山日帰り旅行までしてしまいました(なんたって飛行機で40分ですから)!そして、8月にも彼女と一緒に南の島に行きます。10歳も年下なのですが、妙に馬が合うのです。そうそう、前回のドイツでの講演も彼女が皆アレンジしてくれました。
彼女は、「私は自分の目で見たことを信じたい。私の大好きな日本が、本当にそんな悲惨な状況だなんて信じられない。」と単独で日本に乗り込んできました。その時に彼女の家族、友人、取引先の人、患者さん、全ての人が日本行きを止めたそうです。「なぜ、この時期に行くんだ?原発が爆発して放射能が流れてきたらどうするんだ?」とほぼ全ての人が言ったそうです。でも、彼女は「だって日本人みんなまだ日本に住んでいるんだし、そんなことないでしょ。私の友人のYUKOだって問題ない、って言ってたわよ。」と言ったところ、「そりゃ、日本人は他に住む所がないのだからしょうがない。でも、彼らだって逃げ出したい気持ちでいっぱいに決まってる。」と言われたそうです。
「じゃあ、本当にそうか、私自身が日本に行って確かめてくる。」と言って飛び出してきたそうです。
そして、彼女は東京からいろいろな場所を訪ねながら南下してきたのですが、福岡で私に会って言った一言が泣かせました。「日本はきちんと機能している。皆、被災地のことを考えながら、一生懸命生きている。東京でも皆普通の生活を送っていた。テレビの前に座って、日本はこわいこわいと言っているドイツ人にこの状況を見せてやりたい。」と言ったのです。私はその言葉を聴き、彼女の肩を抱きながら、泣いてしまいました。
そして、彼女と友達で良かった、と心の底から思いました。
彼女は新聞にエッセーなども書いており、現在、新しい本を執筆している最中ですので(ほぼ完成)、その書籍の日本語への翻訳を頼まれました。ゲラを見せてもらったのですが、これまたすごく愉快な話しです。2人で南の島に行って、日本語版についてもっと詰めてきます。あっ、でもその前にもうすぐ私がドイツの彼女の家にお泊りします。